鎖国とは、幕府の貿易独占政策

江戸幕府鎖国政策をとっていた時代の、金あるいは銀の、日本への流入・流出量がわかる史料」という「はてな」だが、これはかなり難問だな。
僕の知る限り、これを数量的に明確にして論じているのは新井白石だが、数値の根拠は不明だ。

  • WEB上の史料は、

http://vs.kuramae.ne.jp/kansai5/gosan/kouwa/2004/05/
ここが、最も具体的に関説している。
WEB外の文献では、多分、小葉田淳さんが江戸時代の金銀銅、貨幣政策についての第一人者だろう。
数量的には触れていないが、関連文献を探す中で、面白いWEBサイトを見つけた。

  • 江戸期三貨制度の萌芽

日銀/金融研究所収論文で、本位貨幣として金・銀・銅が採用される歴史的経緯
http://www.imes.boj.or.jp/japanese/zenbun99/kk18-4-3.pdf

貨幣史にまつわる新聞掲載のコラム
http://www.glocom.ac.jp/proj/kumon/paper/1999/99_05_00.html

  • 藩札の研究

これは卒論かなにか、そんなもの。内容はともかく引用史料は面白そう、ざっと見ただけ。
http://www.u-air.net/social-science/theses/anraku.pdf

  • 近世日本の長波と日本史の超長波

これは貨幣史とは関係ないが、超長期波動の視点から日本史を見直す視点、公文俊平
http://www.glocom.ac.jp/proj/kumon/paper/1999/99_05_00.html

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ところで、金銀、特に銀の流出ひとつ見ても、鎖国政策というのは幕府の貿易独占政策の別名だと分かる。経済統制・思想統制政策ではあったが、いわゆる隔離政策ではなかった。この点、「鎖国」という表現は、間違った印象を与え、ひいては江戸文化について間違ったイメージを形成するもとだ。