米週間住宅ローン申請指数/参考記事
米抵当銀行協会(MBA)が19日発表した3月14日までの週の住宅ローン申請指数
(季節調整後、新規購入・借り換えを含む)は、前週比2.9%低下し652.0と
なった。2007年12月最終週以来の低水準。
住宅ローン借り換え申請指数(季節調節済み)は前週比4.6%低下し2335.0。
30年住宅ローン金利(固定、手数料除く)は、前週比0.39%ポイント低下し5.98%。
新規住宅購入のためのローン申請指数(季節調整済み)は前週比1.0%低下し365.0。
一方、政府プログラム申請指数は9.2%上昇し321.7。前年同週は129.7だった。
米連邦住宅局(FHA)申請が寄与した。以上は、ロイター電、08/03/20から
新規失業保険申請件数/参考記事
米労働省が発表した新規失業保険週間申請件数は以下の通り。
(失業保険・Rは修正値)
日付までの週 申請件数 4週間移動平均 受給総数
03/15/08 378,000 365,250 Unavailable
03/08/08 356,000-R 359,250-R 2,865,000
03/01/08 353,000 359,750 2,833,000-R
02/23/08 374,000 360,750 2,829,000-R
02/16/08 354,000 361,750 2,802,000
02/09/08 358,000 349,750 2,786,000
02/02/08 357,000 335,250 2,737,000
01/26/08 378,000 326,500 2,780,000
エコノミスト予想
申請件数: 360,000
以上は、ロイター電、08/03/20から
金融・景気指標の読み方/その4
このところ米国の景気後退が、ほぼ避けられない情勢になってきた。
単純なリセッションか、厄介なスタグフレーションか、いずれ景気後退に陥る。
実際のプロセスを追うのに夢中で、記事を書くのはお留守になり勝ち。
日本の景気動向指数
○内閣府の「景気統計ページ」に
景気動向指数、機械受注統計調査、穂人企業景気予測調査、消費動向調査、企業行動に
関するアンケート調査を一括して掲載
○景気動向指数に採用している計数のうち、先行系列は次の12系列
L1 最終需要財在庫率指数(逆)、L2 鉱工業生産財在庫率指数(逆)、L3 新規求人数(除学卒)、
L4 実質機械受注(船舶・電力を除く民需)、L5 新設住宅着工床面積、L6 耐久消費財出荷指数、
L7 消費者態度指数、L8 日経商品指数(42種総合)、L9 長短金利差、L10 東証株価指数、
L11 投資環境指数(製造業)、L12 中小企業売上げ見通し
・内容、作成機関及び出所ホームページなどは「個別系列の概要」を参照(pdf)
・一致系列(11系列)及び遅行系列(6系列)も同上を参照のこと
○景気基準日付
・内閣府経済社会総合研究所は、1951年6月のピーク以降、現在まで13循環を数えている。
現在は、01年1〜3月をボトムとする「拡張期」という判断だ。
・基準日付の詳細はここを参照
・先行、一致、遅行系列および景気基準日付の変動グラフはここを参照
・新着情報、景気統計、国民経済計算(SNA)、そのほか関連統計は内閣府「統計情報・調査結果」を参照
・メールで登録すれば新着情報を知らせてくれる。
ISM指数/参考記事
米供給管理協会(ISM)が発表した製造業部門景気指数は以下のとおり。
2月 1月 12月 11月 10月 9月 8月
景気 48.3、50.7、48.4、50.0、50.4、50.5、51.2
新規受注 49.1、49.5、46.9、52.5、52.8、53.6、54.5
生産 50.7、55.2、48.6、51.3、50.1、54.1、54.8
雇用 46.0、47.1、48.7、48.4、51.8、51.5、50.9
入荷遅延 50.1、52.8、52.6、51.5、50.7、51.7、50.3
在庫 45.4、49.1、45.4、46.4、46.5、41.7、45.4
価格 75.5、76.0、68.0、67.5、63.0、59.0、63.0
受注残 45.0、44.0、43.0、41.5、46.0、51.0、50.5
新規輸出受注 56.0、58.5、52.5、58.5、57.0、54.5、57.0
輸入 47.5、52.5、48.0、47.5、47.5、53.0、52.5
以上は、08/03/03、ロイター電から
金融・景気指標の読み方/その2
◆信頼性の低い指標
・信頼性を規定する要因はいろいろである
・しばしば速報値が修正される場合
・統計技術的な問題、etc
○マスコミで大きく取り上げられる割には誤解を招きやすい六つの指標
1.小売売上高、修正幅と修正回数で群を抜いている
2.耐久財受注、景気変動に必ずしも連動しない大型受注が含まれる
3.NAPM景気総合指数、経済動向との連動性にバラツキがある
・これは大手メーカー250社の購買担当管理者に対するアンケート調査
・現在、これに代わる調査はISM指数、及びシカゴ購買部指数に該当するか
・連動性のバラツキは改善されたかどうか、これは注目点
4.失業率、新規失業保険受給申請件数とは区別すべきで、後者が先行指数とすれば、
前者は遅行指数と見るべき
5.企業利潤、回復から上昇への移行期の判断には役立つが、タイムラグが大きい
6.消費者意識調査、遅行指標と見るべき
◆ライフ・サイクルと指標との関連
○回復期
・転換は住宅市場の底入れ、これが底入れするまでは本格的「回復」はない
・「回復」への最初の兆候は、新規失業保険受給申請の落ち込みに現れる
・「回復」のごく初期に、求人広告指数が上向く
・企業利潤は「回復」後期に初めて現れる
○上昇期
・回復期の指標は引き続きプラスに
・新たに企業設備投資の指標が加わる
・この段階のキーポイントは「成熟」期への移行の最初の兆候をつかむこと
・製造業平均労働日数の減少に現れる、3-6ヶ月の中期的傾向が重要
・非農業部門雇用者数の増加傾向の減速は「上昇」期の衰え
○成熟期
・最初の兆候は住宅市場の下降
・「成熟」中期には、求人広告指数の下降傾向が表れる
○軟化期
・一年程度先行して総合景気先行指数が下降にむかう
・これとほぼ同時か、やや遅れて新規失業保険受給申請者数が急増する
・成熟から軟化への移行の鍵は、鉱工業生産の持続的な大幅の減少
○下降期
・重要なポイントは、回復への最初の兆候をつかむこと
・最初の兆候は、製造業平均労働日数の増加にでる
・九ヶ月くらい先行して現れる
・総合景気先行指数の好転も、回復への兆候である
・より信頼性の高い指標は、新規失業保険申請件数の低下で、「下降」末期
・回復転換直後に、新規失業保険申請件数の低下と非農業部門雇用者数の増加が現れる
★以上の指標の、ほぼ全部はDaiki Futures、Inc.の「米国経済指標レポート」で参照
出来る。「米国経済指標マップ」は、全体を視覚的に一覧できる点で便利、
また全ての資料が典拠元にリンク
★日本の景気動向指数の労働需要に関する指数は、先行系列に新規求人数(L3)、一致系列に
所定外労働時間指数(C5)、有効求人倍率(C11)、遅行系列に常用雇用指数(Lg2)及び完全失業率(Lg6)
等が採用されている。(参照)
金融・景気指標の読み方/その1
【アメリカ金融・景気指標の読み方】/L・H・ハントは、20年前に出版された本だが、
現在でも、適当な類書がないのかどうか、古書で定価の四倍から八倍近い価格で売られ
ている。ちなみに原題はA TIME TO BE RICH というものだ。
この20年間にも、様々な経済学説が現れては消えていった。また世界経済はインフレ
基調からデフレ基調に転換するなど、歴史的な転換があった。しかし、基本的な金融・
景気指標を如何に正確に読み取るか、その目を養う上での、この本の価値は失われて
いないのかどうか、十数年ぶりに読み直して興味深い点を摘記してみよう。
この本が、出版された当時は、まだインターネットも普及しておらず、取り上げられ
ている指標の殆どは、現在のように簡単にネット上から参照することも出来なかった。
それを考えると、まさに隔世の感がある。
◆経済の五段階サイクル
・軟化、下降、回復、上昇、成熟の五段階を繰り返す
・各段階には特徴的な現象が見られ、正確に読み取る測定器がある
・各段階の持続期間は予め読み取ることは出来ない
・各段階の転換、或いは移行を読み取ることが決定的に重要である
◆経済指標の信頼性
・数ある指標の中でも、信頼性のある指標はわずかである。信頼性の高い指標とは
イ.過去の修正幅が最小限であること(速報値を確報値の比較など)
ロ.循環サイクルの移行期を正確に示すこと
○最も信頼性の高い指標は「新規失業保険受給申請者数」(毎週木曜に労働省発表)
⇒米国経済指標レポート(データ一覧参照&経済指標カレンダー)&「経済指標の見方」
⇒日本には「失業保険受給申請数」に該当する統計はない。代行しうる指標は?
・景気後退の数ヶ月から数十ヶ月前に増加し始める
・回復期の申請者数の減少の先行期間はもっと短い、ほぼ同時のことも多い
・不規則な短期的変動を示すことがあり、四週間移動平均を使うのが適当
○ほぼ同等の信頼性のある指標
1.製造業平均労働日数(各月第一金曜日、労働統計局)
2.非農業部門雇用者数と労働時間(同上)
3.鉱工業生産指数、工業社会からサービス社会に移行するにつれ、その比重が低下
している難点がある。
4.求人広告指数、経済の移行期の先行期間は極めて短い
○その他のやや信頼性のある指標
1.住宅着工件数と民間住宅許可件数
・住宅着工件数は、天候に左右される面があり、やや信頼性が劣る
・着工件数と許可件数との間には、直接的な関連はない
・許可件数は景気「下降」後期に上昇し始め、着工件数がこれに続く
・景気拡張「成熟」期に入ると、直ぐに低下し始め、着工件数がこれに続く
・景気回復の始まる前には、必ず住宅市場は底を打つ
2.総合景気先行指数
・興味深い題材を扱っているが、要約によってエキスの大部分が省力されている
・一時的撹乱要因が過大に扱われる傾向もあるが、経済の変動を読むには有益だ